仕事の選び方がわからない人のための仕事選択ガイド【これで解決】

仕事の選び方がわからない、また何を基準に仕事を選んだらいいのか悩んでいる人へ。

この記事では、事業会社からコンサルティングファーム、そしてコンサルティングファームからITベンチャーへと転職した私が、自らの転職活動の間に仕事について考え抜き、その結果得た仕事の選び方や基準を紹介します。

「仕事の選び方がわからない」とは、「仕事を選ぶための基準がわからない」ということと「仕事を選んでいく流れがわからない」という二つのわからないに分けて考えることができます。この記事では、「仕事を選ぶための基準」を中心に解説していきます。


仕事の選び方についてしっかりと考えておくことは大切

仕事の選び方についてしっかりと考えておくことは大切です。少し前まで、仕事は多くの人にとって学校を卒業した後に新卒一括採用の時にだけ選べば良いだけだったかもしれませんが、人生100年時代と言われるようになり、これからはより積極的に自分で仕事を選んでいくことが一層大切になるからです。


仕事の選び方がわからない理由と対策

仕事を決めるために考えるべきな要素はとても多いことから、仕事の選び方や基準がわからない理由もいろいろです。そこで、ここでは仕事の選び方がわからないという場合の理由を三つ紹介します。

理由1:人生における仕事の位置付けが不明瞭

仕事の選び方や基準がわからない一つ目の理由は、人生における仕事の位置付けが不明瞭なことです。私たちの人生のなかで使える時間は有限です。たとえ人生が100年になってもそれは変わりません。限られた時間の中で私たちができることは限られています。幸せに生きるために、いろいろとやりたいことがあります。家族や友人と過ごす時間、一人で思索にふける時間、思いっきり遊ぶ時間、など時間が足りないように感じることも少なくありません。

そんな中で、仕事は自分自身の中で一体どんな位置付けなのか。どれくらい優先順位が高いのものなのか。これを明らかにする必要があります。なぜなら、多くの場合、仕事にはたくさん時間もエネルギーも注ぎ込むことになるからです。その仕事で自分自身を表現し、自分のアイデンティティ作りの中で重要な位置付けだ、となれば少々大変な仕事を選んでも良いかもしれませんが、そうでなく、他の事柄や他の仕事がより大切だという場合は、今選ぼうとしている仕事はあまり時間やエネルギーが必要ないものを選ぶという工夫が必要です。 仕事は一つではない

仕事選びの方法について解説していますが、ここで一つ注意が必要なのは、仕事は一つではないということです。人生100年時代と言われる前から、副業・複業が以前より盛んになってきました。またその周辺の議論でもよくあがるように副業は昔ならむしろ普通のことでした。なので、この記事の内容は、それぞれの仕事全てについて考える必要があリます。

理由2:仕事で得るものと失うものが不明瞭

仕事の選び方がわからない理由の二つ目は、仕事で得るものと失うものが不明瞭というものです。仕事で何がどれくらい得られて何がどれくらい失われるのかがわかっていないと、自分の人生の軸と照らし合わせた時にその仕事がどれくらい重要なのかが決められません。その仕事をすることで自分は何が得られて、何を失うのか、自分が選ぼうとする仕事一つ一つに対して、しっかりと評価する癖をつけましょう。

仕事で得るものと失うものの代表的な例を以下に示します。 ある仕事で得るものの例

  • 経験:仕事では実社会の中で人の役に立つための実際に取り組んだという経験が得られます。経験は他では変えがたい資産となります。
  • 充足感:仕事をすることで一定程度は心が満たされます。承認欲求と関係がある部分です。
  • 報酬:仕事をする対価としてお金や物品などの報酬が得られます。
  • スキルや専門知識:その仕事に必要なスキルや専門知識が身につきます。「その仕事の」というところがポイントです。
  • 社会的信用:仕事をすることで仕事について評判を得たり、単に続けることで得られる信用もあります。それから、仕事の種類により得られる特殊な信用もあります。

ある仕事で失うものの例

  • 時間:仕事+休憩時間+通勤の分時間は減ります。
  • 体力:仕事+通勤の分、体力が削られます。
  • 精神力:仕事+通勤により、ストレスを受ける場合は精神力が削られます。また場合によっては休憩時間にも精神力は削られます。結果的に、心の余裕が失われる場合もあります。
  • 他のことをするエネルギーや機会:こちらはやや毛色が異なりますが、上記の結果として他のことをする機会が減ります。この中に、家族や友人と過ごす活動が含まれます。

上記の例を参考に、これから選ぼうとしてる仕事をすることで何が得られて何が失われるのかしっかり整理してみてください。その上で、整理した、その仕事が自分にとって選ぶにふさわしいものなのかをできるだけ妥協せず判断してください。

理由3:仕事選びの方法論を知らない

いろんなモノゴトには方法論が存在します。仕事の選び方がわからない場合、もしかすると仕事選びの方法論を知らないことが関係しているかもしれません。仕事選びの方法論を知ることで仕事を選ぶ場面で筋道を立てて考えやすくなります。

仕事選びの方法論について解説する前に、方法論とは何か初めに紹介します。

方法論とは

方法論は、以下の、情報を探求する特定の学問や分野に関連した概念からなる。

  1. 理論、概念、理念の収集
  2. さまざまな手法についての比較研究
  3. 個々の方法についての批評

方法論は、一連の方法というよりは、特定の研究の根拠をなす原理や哲学的前提を扱う。そのため、学術的文献は、しばしば研究者の方法論の部分を対象とする。方法論が扱うのは、研究者の(”私たちは50人を2週間調査し、結果を統計的に分析した”というような)方法というよりは、研究者の存在論認識論の観点についてである。

方法論は、研究分野あるいは一連の過程活動課題を包括するすべてを対象とする。これは、例えば、ソフトウェア開発設計デザインプロジェクトマネージメントビジネスプロセス分野である。この用語は、誰が、何を、どこで、いつ、なぜといった概略に代表される。研究分野を作る過程を文書化する場合、方法論は、どこに方法あるいは過程があるのかを記述する。この過程そのものは、標準、方針、規則などの確認や利用と同様に方法論の一部である。

一連の方法

多くの科学は、独自の方法からなり、それは(その方法の妥当性を支持する)方法論により支持される。

例えば社会学は、方法論的に事例研究調査研究統計分析、その他のモデルビルディングを含む質的方法量的方法の両方をさまざまに利用する。

またソフトウェア開発やプロジェクトマネージメントにおける方法論は、一連の体系化されたやり方を意味している。これには、時には訓練資料、正式な教育プログラム、ワークシート、ダイアグラム作成用ツールが付随している。これらは単に方法でもあるが、それについての議論も方法論と呼ばれる。

狭義の方法論

狭義の方法論とは方法についての研究のこと。通常は特定の分野内のそれを指しており、教育方法論、芸術の方法論、科学の方法論、のように用いられる。~主義、-ismと呼ばれているようなものは通常、その一部として多かれ少なかれ方法論を含んでいるものである。汎用義としては、「誰々の方法」についての議論を「誰々の方法論」と呼ぶ。

出所:ウィキペディア

上記のウィキペディアの解説内容を踏まえると、仕事選びの方法論とは、「仕事を選ぶにはこうする」という「仕事選びの方法」について、どの方法がいいかを論じたものです。もう少し詳しく説明すると「この方法(の組み合わせ)で進めれば、この基準で選べば仕事選びがうまくいく」という主張や理論であるということができます。

方法論が大切な理由は、世の中にあるいろんな仕事選びの方法(=こうやればいいよというバラバラの主張)の全体を俯瞰し、それらをうまく組み合わせ、統合してこそ全体として方法の集合体の価値が最も発揮され、結果として良い仕事選びが可能となるからです。

以降で、私自身の経験も踏まえた仕事の選び方がわからない場合に使える方法論を紹介します。

仕事の選び方がわからない時に使える方法論

仕事の選び方がわからない時、参考になる方法論

仕事選びの方法論としてある程度確立しているのは、複数の質問をして得られた回答によってその人の考え方を想定するアプローチにより人間を分析し、その結果によってその人にあった仕事を割り出そうとするものです。

このようなアプローチを取る方法論で有名なものとしてホランドの職業選択理論やMBTIがあります。以下の記事では自分に向いてる仕事を見つける方法を紹介しており、その中でホランドの職業選択理論にも触れていますので参考にしてみてください。

また、MBTIについてはウィキペディアでは以下のとおり説明されています。

MBTI(マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標)は内省的な自己申告アンケートであり、人がその人自身の世界をどう認識し、物事の決定をしていくのかという点について心理的な選好を表すことを目的としている [1] [2] [3]

MBTIはカール・ユング[4]によって提案された概念理論に基づいて、キャサリン・クック・ブリッグスと彼女の娘イザベル・ブリッグス・マイヤーズが作り上げた[5]。ユングは、4つの主要な心理学的機能である感覚、直観、感情、思考を用いて人は世界を経験しており、人の生涯のほぼすべてにおいて、これら4つの機能の内の1つの機能が支配的であると推測していた[6]

MBTIは正常集団のために構築されたものであり、自然に生じる差異の価値を強調している[7]。「MBTIの根底にある仮定は、私たちは皆、自分の経験を解釈する方法に特定の選好を持っており、こうした選好が私たちの興味、ニーズ、価値観、動機づけの根底にあるということである」[8]

MBTIは、一般企業や民間企業では人気であるものの、科学的な心理測定の観点においては著しい不備がある。特に、次の4つの点が代表的なものである。1つ目は、測定対象を測定していない、予測力がない、一般化できる項目がないといった有効性の低さという点。2つ目は、同じ人物にも関わらず、異なる機会にMBTIを受験すると異なる結果が出てしまうという信頼性の低さの点。3つ目は、独立していないカテゴリーを測定しているという点(二分されている特性のいくつかは、互いに相関することが知られている)。4つ目は神経症傾向という人の特性が含まれていないため、人の性格において包括的なものではないといった点である[9][10][11][12]。また、アメリカ心理学会が発行している『APA心理学大辞典』では、MBTIの項目で批判がされており、「心理学研究者の間ではほとんど信頼性がない」と記されている[13]。なお、MBTIで使用されている4つの尺度は、より一般的に受け入れられているパーソナリティ理論の枠組みであるビッグファイブ性格特性の4つの特性とある程度は相関している[14]

MBTIを模した質問アプローチをとる職業診断の出版物もありますが、手っ取り早く診断するには以下のサイトがお勧めです。ただし、このツールは正確にはMBTIではなく、あくまでもこのサイトを営むカナダの会社が提供する診断サービスである点はご理解ください。

 参考 https://www.16personalities.com/ja/

タイプ診断だけだと良い仕事選びは難しい

先ほど仕事の選び方がわからない場合には質問への回答から推察する方法論が役に立つことを紹介しました。職業診断をやってみたことがある方ならわかると思いますが、タイプ診断をするとそれなりにうなずける結果が得られるものですが、どうもそこで得られた情報だけで具体的に仕事を選べるかというとそうではないということの方が多いと思います。

それもそのはずで、タイプ診断では一人一人が違う私たち人間をほんのいくつかのタイプに分類しているので、その分類の結果で得られた情報だけで私たちが語り尽くされることはあり得ず、あくまでも私たち性質の一部を表すものでしかありません。

ここで言いたいのは、先ほど紹介した仕事選びの方法論が役に立たないということではありません。そうではなく、このようなアプローチによる診断結果は仕事選びのための情報の一つとし、それ以外の情報と併せて考えることが大切です。

それでは、仕事の選び方がわからない場合、全体としてはどのような情報を集めて判断すれば良いのでしょうか。また、どんな手順で仕事を選んでいけば良いのでしょうか。

全体としては自分と仕事を知り相性で仕事を選ぶのがおすすめ

仕事選びの際、集めるべき情報は大きく分けて2つあります。自分についての情報と仕事についての情報です。

自分についての情報というのは、自分が何をやってきて、どんなことが好きで、何が我慢できなくて、どんなことをしたくて、将来hどのような自分になっていきたいと考えているのか、といった情報です。

また、仕事についての情報は、その仕事の業種や職種、仕事内容以外に、先ほど紹介したその仕事で得られるものと失うものがなんであるかの情報を集めると良いでしょう。 ある仕事で得るものの例

  • 経験:仕事では実社会の中で人の役に立つための実際に取り組んだという経験が得られます。経験は他では変えがたい資産となります。
  • 充足感:仕事をすることで一定程度は心が満たされます。承認欲求と関係がある部分です。
  • 報酬:仕事をする対価としてお金や物品などの報酬が得られます。
  • スキルや専門知識:その仕事に必要なスキルや専門知識が身につきます。「その仕事の」というところがポイントです。
  • 社会的信用:仕事をすることで仕事について評判を得たり、単に続けることで得られる信用もあります。それから、仕事の種類により得られる特殊な信用もあります。

ある仕事で失うものの例

  • 時間:仕事+休憩時間+通勤の分時間は減ります。
  • 体力:仕事+通勤の分、体力が削られます。
  • 精神力:仕事+通勤により、ストレスを受ける場合は精神力が削られます。また場合によっては休憩時間にも精神力は削られます。結果的に、心の余裕が失われる場合もあります。
  • 他のことをするエネルギーや機会:こちらはやや毛色が異なりますが、上記の結果として他のことをする機会が減ります。この中に、家族や友人と過ごす活動が含まれます。

情報が集まったら、以下のような観点で自分自身と仕事との相性を考えて選択肢を評価し仕事を選びましょう。
ー事業・活動への興味・意欲
ー将来像への戦略
ー待遇(労働時間や副業等を含む)
ースキルとのマッチ度合い

この辺りのことは以下の記事にも記載していますので参考にしてください。

まとめ

この記事では、「仕事の選び方がわからない人のための仕事選択ガイド」と題し、仕事の選び方がわからなくてお困りの方向けに仕事の選び方がわからない理由やその解決策、また仕事を選ぶ上で役に立てていただきたい方法論を紹介しました。この記事をぜひ仕事選びの参考としてお役立てください。