自分に向いてる仕事がわからない。自分に向いてる仕事を見つけたいけど、探し方がわからない。インターネットなどの適職診断や仕事診断を受けて診断結果をみたけどイマイチ自分に向いている仕事がわからない。
この記事では、自分に向いている仕事を見つけるための基本的な考え方と役立つツールを紹介します。
自分に向いている仕事、自分に合った仕事ってどんな仕事?
自分に向いている仕事を見つける方法について解説する前に、まず自分に向いてる仕事とはどんな仕事のことをいうのか考えてみましょう。自分に向いている仕事・自分に合った仕事は、一見視点としては自分自身からみた視点だけのように感じますが、実際には「向いている」「合っている」状態は社会や会社の求めることに合致している必要があります。そこで、ここでは、仕事をする人(=自分)自身の視点と会社や社会など外部の視点の2つの視点から考えることにします。
仕事をする人(=自分)自身の視点
自分自身に向いている仕事は、あなたの価値観ややりたいこと、そして元々あなたが持っている性質とずれていない仕事です。自分が社会の中で解決したい課題や応援したいテーマが事業内容で、実際の仕事内容が自分の性格や行動特性にもマッチしている。そんな仕事が自分に向いているとか合っている仕事だと言えます。
自分に合った仕事を見つけるには、自分がどういう人かを知って価値感・強みや弱み・行動特性、そしてこれまでに取り組んできたことを明確にする必要があります。このあたりの話を踏まえた仕事選びの全体的な話は以下の記事を参考にしてください。
転職の考え方ややり方について解説しています。何回目の転職であっても、また就職活動時にも役立つ、絶対に抑えた方がいい転職時の考え方です
社会や会社の視点
自分に向いている仕事を見つけるための2つ目のヒントは社会や会社など仕事を供給する側の視点にあります。就職でも転職でも、社会のなかにある様々な仕事があり、いろんな事業を営んでいる会社があってその中のそれぞれのポジションがあって、それが具体的な就職先や転職先になります。
また、その仕事が雇用されて行うものであれば、勤務条件もあります。勤務条件はルールとして守らなくてはいけない内容です。これらの条件を全て踏まえた上で、その会社の何らかのポジションで働いて欲しい人を採用します。
自分に合った仕事を探すには、このような仕事をする条件や求められることもしっかりと把握する必要があります。
自分に向いてる仕事は、自分で責任をもって探すもの
自分に向いてる仕事は、最終的には自分自身が責任を持って見つけるものです。もしこの記事を読んでいるあなたが転職を検討されている場合の参考として転職をする場合の進め方を書いた記事を載せておきますので、こちらも参考にしてみてください。
自分に向いてる仕事を見つける3ステップ
先ほど「自分に向いている仕事」とは何かを考えてみました。自分に向いてる仕事を先ほどの2つの視点で考える場合、自分に向いてる仕事を見つけるには、以下の3ステップを順に実行すればいいことがわかります。自分に向いてる仕事を探す3ステップ
- 自分自身について理解する
- 仕事について理解する
- 自分自身と仕事の相性を確認する
上記の1から3のステップを一つずつ丁寧にやっていくことで自分に向いている仕事を見つけられます。
上記1から3のうち中で最も大切なのは1の「自分自身について理解する」ことです。理由は、自分自身を知らなければ仕事選びの基準もできず何となく報酬や転職エージェントの言葉のままに仕事を選んでしまい、危険だからです。この手順1を疎かにして他の手順を実施することはお勧めできません。
自分に向いてる仕事は、自分自身で考え抜いて見つける
自分に向いている仕事、合った仕事を見つけるための理論やツールがあります。厚生労働省も取り入れており日本でも幅広く活用されているホランドの職業選択理論/RIASECやユングの心理学的タイプ論をもとに開発されたMBTIなどが有名です。
これらの理論やツールはパッとみた感じではいずれも人をいくつかのタイプに分類し、ある程度そこに当てはめて自分に向いている仕事を診断・特定しようという試みです。これらの理論やツールはちゃんと活用すればかなり役に立つものですがあくまでも参考です。 要注意
理論やツールで導き出された適職診断結果をそのまま信じて職業を選ぶのは危険です。なぜならこれらの理論は昔の人がいくつかのサンプルをもとに観察によって導き出した考え方でありそれがそのまま現代の職業にも活用できるものでは無いからです。
理論やツールを活用する前に先ほどご紹介した基本的な手順を念頭に置きながら自分が実際に経験についてある程度自分の言葉で語れるレベルなで整理した上で理論を活用することが大切です。
自分に向いてる仕事探しに役立つ代表的な理論・ツール
先ほど別の章で説明した通り、自分に向いている仕事を見つける際、ホランドの職業選択理論をはじめとする各種理論や診断ツールはあくまでも参考として使うものですが、これらは理論やツールはちゃんと活用すればかなり役に立つものです。
ここでは代表的な理論・ツールであり筆者も実際に活用してきた「ホランドの職業選択理論」の概要を紹介します。
ホランドの職業選択理論は6つのタイプに人と職業を分類する
そこで、次の章では自分自身について理解を深める上で参考になる、ホランドの職業選択理論を紹介します。この理論で初めに出てくるのは6つのパーソナリティタイプです。
6つのパーソナリティタイプ
頭文字 | タイプ内容 | キーワード |
---|---|---|
R | 現実的 | 道具、物、機械、動物。地に足、実践的 |
I | 研究的 | 生物学、物理学、数学、化学、医学、学究肌 |
A | 芸術的 | 言語、美術、音楽、創造的で発想自由 |
S | 社会的 | 人に伝える、教える、手助けする、友好的 |
E | 企業的 | 他人に影響、リーダーシップ、説得力。野心的、外交的 |
C | 慣習的 | 情報を秩序立てて整理、責任感、信頼あり緻密 |
心理学者のホランドは、人についてはこれら6つのタイプのタグづけが可能であるとしました。ただし注意点として、ある人の性質を考えるとき、この6つのどれか1つに完全に絞り切るというのではなく、その人の特性を表すものを上位3つ特定しそれらの全体をその人の性質とするという考え方です。ここまでの理論は、先ほどの手順のうち「自分自身を理解する」のところで役立つものです。
ワークタスクディメンジョンとキャリアクラスター
次に、先ほどの手順2の「仕事について理解する」で役に立つ考え方を紹介します。
「ワークタスクディメンジョン」は、全ての仕事を、「データ」・「アイデア」軸と「人」・「もの」軸の4要素とその組み合わせによって分類するツールです。具体的に説明します。
出所:日本マンパワー
上の図のように、「データ」と「アイデア」、「ひと」と「もの」は互いに対となる項目で、各要素は距離が近いと仕事同士の親和性が高く、離れているほど仕事同士の親和性が低いとされます。
この4つの要素それぞれと要素を2つ組み合わせたものをそれぞれの分類としてあらゆる職業を6つに分類したのがキャリアクラスターであり、先ほど紹介したパーソナリティタイプにそれぞれ合った仕事を診断するために整理された表は以下の通りです。
パーソナリティタイプ | キャリアクラスター | ワーク・タスク |
---|---|---|
現実的(R) | 技術 | もの |
研究的(I ) | サイエンス | ものとアイディア |
芸術的(A) | 芸術 | アイディアとひと |
社会的(S) | ソーシャル・サービス | ひと |
企業的(E) | 管理的ビジネス | ひととデータ |
慣習的(C) | ルーティン的ビジネス | データともの |
この表は、元々紹介した手順の3つ目の「自分自身と仕事の相性を確認する」で活用できます。
例えば、自分のパーソナリティタイプは「社会的(S)」だから適したキャリアクラスターは「ソーシャル・サービス」であり向いているのは「ひと」のワークタスクであるということがわかります。
これまでに紹介してきた通り、パーソナリティタイプもワークタスクもそれぞれ対の概念があるため、相性が悪い仕事を考える際の参考にもなります。先ほどの例だと「ひと」の対極にあるのは「もの」なのでエンジニア系の仕事は相性が悪いといった具合です。
World of Work Map
最後に、先ほど紹介したホランドの理論をもとに、ホランドも一時在籍したACT社が開発したツールを紹介します。こちらのツールは記事を書いている2020年2月時点では機能しており、実に多くの職業の理論上の位置付けや実際の職業の内容、必要な専攻・人口・年収の目安なども見ることができるとても便利なツールです。
ACT社はアメリカの会社であり職業の内容もアメリカの職業が書かれているので、日本で実際に使う際にはやや応用が必要です。また、言語は英語のみです。
まとめ:自分に合った仕事の診断はツールを活用しつつも自分で考えるのが基本
この記事では自分にあった仕事の診断について考え方・手順・理論とツールについて紹介しました。
自分に向いている仕事、自分に合った仕事を見つけることは一朝一夕にはできません。日々の仕事から得たフィードバックと経験をもとに考え続けることこそが自分に向いてる仕事を見つけるための活動の本質と言えます。それでも、その際には先人の理論や便利ツールも活用することで全て自分で考えるよりは効率的に診断を進めることができるため、ホランドの理論については参考にしてみてはいかがでしょうか。
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