私達人間が生きていくために必要なものは何だろう。日々を楽しく生きていくために必要なことはどんなことだろうか。毎日の生きがいを見つけたい。そのようにお考えの方へ。この記事では人が生きていくために必要なものは何なのか、考察します。
生きるために必要なものについての考え方
私達人間が生きていくのに必要なものは数多く存在し、人によっても考え方は色々あるでしょう。ここではまずはじめにこの記事での生きるために必要なものの考え方を説明しておきます。
生きるために必要なものは人の欲求から考えられる
人が生きていくのに必要なものを考えるアプローチとして、この記事では人がほしいものは何なのか、つまり人の欲求から考えることにしたいと思います。
人は命として誕生し母親のお腹の中にいるときから様々なものを必要としています。水分や様々な栄養素だけでなく、人の愛情を欲することすら本能的なものとしてはじめから存在します。人が欲するものは赤ちゃん、幼児、少年、青年、・・と年令を重ねるに従って変わってきますがずっと変わらないものもあります。このような人間が必要とする様々なものこそ、「人が生きるために必要なもの」をある程度網羅的に考えるときの参考になるのではと考えたためこの記事では「生きるために必要なもの」=「人間が欲しているもの」と前提を置いて話を進めようと考えた次第です。
マズローの欲求5段階説
人の欲求をできるできるだけ網羅的に考えるために、マズローの欲求5段階説をもとにして考えます。
マズローの欲求5段階説は心理学者マズローが人間の欲求について研究しまとめた研究結果です。
マズローの人間の欲求についての研究を知るためにウィキペディアにあるマズローの理論である「自己実現理論」の説明を確認してみましょう。
自己実現理論(じこじつげんりろん、英: Maslow’s hierarchy of needs)とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。
自己実現論、(マズローの)欲求段階説、欲求5段階説、など、別の異なる呼称がある。ピラミッド状の階層を成し、マズローが提唱した人間の基本的欲求を、高次の欲求(上)から並べる。
自己実現の欲求 (Self-actualization)
承認(尊重)の欲求 (Esteem)
社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
安全の欲求 (Safety needs)
生理的欲求 (Physiological needs)
出所:ウィキペディア「自己実現理論」
上記の説明の最後に出てくる5つの欲求が、マズローが研究の中でまとめた人間の欲求を考えるときの整理方法です。5つの欲求は実際には下図のようなピラミッドとして描かれ、ピラミッドの下段ほど基礎的な欲求であり上に行くほど高次の欲求になります。また、それより下の欲求がある程度満たされることがより高次の欲求が沸き起こってくるための条件であるとされます。
一つ一つの欲求の詳細については出所のウィキペディアの記載を参考にしていただくとして、この記事ではこの各段階に出てくるものを生きていくために必要なものとしてわかりやすく把握するために「目に見えるもの」と「目に見えないもの」の2つに分けて考えてみたいと思います。
高次欲求よりも基本的な欲求を考える
人が生きていくために必要なものは、幅広く考えれば人が社会の中で幅広く認められたり描いた自分を実現したりということも含まれると思います。しかし、「生きるために必要なもの」を考えるときに、まず重要なのは基本的な欲求の方だと考えるため、この記事ではどちらかというと基本的な欲求に焦点を当てて解説することにします。
目に見えるもの
ここではまず目に見えるものから解説します。
健康な身体
普段あまり意識することはないかも知れませんが、私が生きていくには身体が必要です。それも、できるだけ健康な身体が生活しやすくいろんなことに取り組みやすいでしょう。生まれつき身体の一部の機能に制約がある人の場合でも身体を健康に保つことは重要です。人間は身体と心がつながっていて、身体を健康に強く保つことが心の健康にもつながります。どんなに苦しい状況であっても健康な身体、そしてあとで説明する不屈で前向きな精神があれば人は明日に向けていまを生き抜けるのではないでしょうか。
衣食住にまつわるもの
私達が生きるために必要なのはなんといっても衣食住を満たすことです。そしてそれらを確保するためのお金も必要です。
私達の生活の基盤となっているのが衣食住です。一つずつ見ていきます。
衣(身にまとうもの)
普段あまり意識することはないかも知れませんが、私達ヒトが生きていくには服などの身にまとうものは書かせません。私達は変温動物ではないのでもともと体温を保つ機能が体に備わっているものの、動物と違って毛皮や鱗などはないため極端な暑さや寒さから身を守ることは衣服なしでは難しいです。また、現代では衣服をまとわずに日常生活を送ることができるのは無人島を所有して生きる人か今でも昔と変わらない生活を守り続けている一部の方のみでしょう。
食(たべるもの)
私達には食べ物ももちろん必要です。食べ物から体が作られ日の様々な活動のエネルギーを得ています。食べ物は体作りと心づくりの基礎、そして活動のするための元気のみなものなので、お腹を満たせば何でもいいというものでもなく、できるだけ良質なものをいただくことが必要です。
食べ物を得るための方法として、現代ではスーパーマーケットなどで購入することが一般的ですが、それ以外にも自分で植物を育てたり魚をとったり狩りをしたりといった方法があることも忘れてはなりません。
住(すむところ)
着るものや食べるものと同じく、住むところも私達には必要です。住むところは私達の安全基地であり日々のエネルギーを回復・補充する場所です。そして外の世界へと飛び出し戦うための拠点でもあります。
なので、住むところは身体的および心理的な安全性、ある程度の快適性を持っていることに加えて、創造的思考を生みいつも何かを生み出すための生産的活動を支える機能があることが望ましいです。
そのような機能を備えた家のなかで、私達は生理的欲求とともに安全欲求や社会的欲求をある程度満たすことができます。
衣食住+αを満たすためのお金
日本の現代社会で生きるにはお金が必要です。あえてこの項目を分けて書いているのは、お金が必要なことは当たり前と思われるものの場合によってはお金なしでも衣食住を満たすことができることもあるため、あえて分けて考えることで生きる上で必要なリソースとしてどのような位置づけになるのかを改めて検討するためです。
この分野はファイナンシャルプランナーの方や生命保険会社の方、信託銀行の方などが清潔設計などの言葉で生活に必要なお金を試算してくれることもあるでしょう。(私自身がファイナンシャルプランナーの資格を一応はもっているためこの考え方は知っています)。
現代社会で生きるには基本的にお金が必要です。お金は便利な交換券であり貯蓄の機能も持っているためたくさん稼ぐことで豊かな生活を送ることができると考える人は多いでしょう。ただし、生きるために本当に必要なものを見極め、本質的でないものは優先度を下げて考えたとき、お金を得るために被る苦労や引き換えになるものには十分注意を払ったほうがいいと私は考えます。
例えばさきほど衣食住のなかで食については自家栽培などの方法もあると紹介しましたが、お金を得る目的が基本的欲求を超えた欲求である承認欲求等を満たすことである場合、自分自身の幸せのために本当に必要なのはどれくらいのお金なのかは十分に見極めてからお金を稼ぐために頑張るのがいいと個人的には思います。
目に見えないもの
マズローが考えた様々な欲求を満たすためには、目に見えるものだけが必要なわけではありません。
調理をしたり移動したりするためのいろんなエネルギーや、生きる目的や生きがい、精神的な強さや弾力性(折れてもまた復活する力)、スキルなど、私達には目に見えないけど生きていく上では重要なものもあります。ここでは私達が生きる上で必要なもののうち目に見えないものについて解説します。
各種エネルギー
私達の現代社会の生活は電気やガスなど多くのエネルギーに頼って成り立っています。毎日使っているエネルギーのすべてが必須のものというわけではありませんが、調理や夜の明かり、入浴のためなどライフラインを支えているエネルギーは必須に近いと言えます。
マインド
日々を生きていくうえで、どのようなマインドを持つのかはとても大切です。人は自分自身の思考によって行動する生き物であるためマインドが日々の行動を形成しその人を作っていくからです。
具体的に、生きる上で必要なマインドは前向きであることやタフであること、挑戦心、何事からでも学ぼうとする心などがあります。
知恵・知識
私達が生きるには様々な知恵や知識も必要です。これらは実際に遊びや仕事など様々な活動を通して獲得していくものもあれば、座学で学べるものもあります。もちろん座学と実践の両方によって知恵や知識はどんどん深目ていくことができます。
知恵や知識にはその汎用性や応用性、専門性などによって生きる上での必須度合いが変わってきますが、汎用性や応用性が高いもの、使用頻度が高いものほど生きる上では重要だと思います。例えば、文字が読めたり簡単な計算ができたりといった知識は実生活のなかで応用していることも多いでしょうし、論理的思考・批判的思考についても、現代は世の中の重要なことが選挙で決まる代議制民主主義の時代であることや会社などの組織でもほぼ同じ仕組みが用いられていることを考えると大変重要なものとなります。
また、直接的に実社会で役立つ専門知識も、実際に社会をより良くしていくため、そして日々の糧を得るために重要です。
コラボレーション・コミュニケーション
人間は他の動物よりも一人ひとりの個体がみんなで協力することで文明を築き現代社会のレベルまで来たことは間違いありません。昔も今もそうですが、大きなことを成し遂げたり困難を克服するため、私達にとって他の人と一緒に協力して目標を達成するための力もまた重要です。
効果的に他の人とコラボレーションすることはできそうでなかなか難しいものです。その背景には個々人は別々の人物であり価値観も考え方も異なるということがあります。
習慣
私達が生きるために必要なものとして、習慣もあげることができるでしょう。健康な身体とマインドは実際にそれを使って日々行動を積み重ねることで目に見える成果につながっていきます。日々の行動なくしては遠くまで行くことや日々の生活を充実して生きることはむずかしいでしょう。
まとめ
この記事では、私達人間が生きるために必要なものについてマズローの欲求段階説も参考にしながら目に見えるものと目に見えないものに分けて解説しました。
分業が進んだ現代日本で日々を忙しく生きていると生きるために必要なものが何だったか見失いそうになったり、過剰にいろんなものが必要なように錯覚してしまったりすることがあるかも知れません。この記事は私がこれまでに考えた生きるために必要なものの内容の備忘も兼ねて書きました。少しでも参考になる内容があれば幸いです。