彩湖から見える富士山

今のままでいいのか、転職すべきかを悩んでいる方へ。

転職エージェントのサイトなどを見ても自分が転職すべきなのかイマイチ判断が難しくて悩んでいる方へ。

この記事では、事業会社からコンサルティング会社、そしてITベンチャーへ転職を経験した筆者が、転職するべきケースの考え方についてお伝えします。


【断言】仕事との相性が悪いときは転職すべきです

端的に言うとあなた自身と仕事の相性が悪いときは転職すべきです。相性が悪いとあなたも周りも社会も不幸になるからです。

転職実現までの具体的ステップに書いた通り、転職するときには、まずあなた自身をよく知り、その上で2つ目のステップとして仕事や会社をよく知り、最後にあなた自身とその仕事の相性を確認すると言う手順を踏みます。

転職するべきか今の会社に残るかを考える場合、この2つ目のステップの仕事や会社を知るステップが現在の仕事や会社という点が異なりますが、基本的には同じやり方が応用できます。

以下で紹介する切り口も参考に、あなた自身と仕事・会社を多面的に知り、相性が悪い場合は転職すべきです。


転職すべきはこんなケースです

先ほど転職すべき理由はあなた自身と仕事の相性が悪い時だと書きました。

以下で具体的にはどんなポイントを見て「相性が悪い」と考えるのか、いくつかのケースに分けて紹介していきます。いずれの場合も、この不整合を解消すること、つまり転職をすることがあなたも周りの人そして社会も最終的にはハッピーになると筆者は考えます。

そのため、転職すべきか悩んでいて、調べていくうちに以下で紹介する不整合があるということが明らかになったら、タイミングを考える必要はあるものの、最終的には転職すべきだと言えます。

あなたの特性と仕事内容が合ってないなら転職すべき

一番多いのではないかと筆者が考えるのは、あなた自身の特性・スキルと仕事内容の不整合のケースです。

この記事を書いている2020年2月時点では少し変化の兆しが見えてきているものの、これまで日本の多くの会社では新卒一括採用方式を長い間採用してきました。大学卒時などのタイミングで一斉にいろんな企業が社員をまとめて採用すると言う方式です。この採用方式とセットで、年功序列・終身雇用が取られてきました。

この方式は良い点もあったものの数々の弊害を生んできたと筆者は考えています。その際たるものが一人一人の特性と仕事の不整合です。確率論的に考えて、新卒時点の職業への関心や知識のレベルで応募し入社した企業や選んだ仕事が、あなた自身にとって最適である可能性は、残念ながら低いと思います。

もしあなた自身の特性と現在の仕事の相性が悪いことがわかって、転職すべきか悩んでいるなら、転職すべきです。

ここでいう仕事内容は大きく分けて事業内容(業種)と職種の2通りがあります。 仕事内容の2つの切り口

  • 事業内容(業種):会社であればその会社が行っている事業の内容。例えば「電化製品の製造と販売」や「ソフトウェアの製造と販売」、「コンサルティングサービスの提供」など
  • 職種:「営業職」や「研究職」など主な活動内容による分類や、「一般職」、「管理職」などの組織構造内での役割分担や責任範囲など

事業内容(業種)について

私たちの時間は有限です。1日に8時間は睡眠にあて、2時間を食事、2時間を入浴と身支度など、2時間を家事、そして通勤に2時間あてると残りは8時間です。この8時間という時間をもし専業の勤務に充てているとしたら、その活動によって結果的に社会にどのような影響を与えられるのか、また自分自身がその内容に魅力を感じているのか、という点はとても重要です。

会社は、多くの人が集まり協力して事業活動を行う組織です。集まってくるいろんな人と折り合いをつけながら、苦労もたくさんしながら日々取り組む事業の目的や事業内容に共感し協力したいと思えるのか。この質問の答えがNoであるならば、転職を検討しましょう。

世の中にはいろんな職種がありそれぞれ性質が異なります

世の中にはいろんなタイプの職種が存在しています。厚生労働省が職種の一覧をまとめた『職業分類表」を出していますので参考にしてみてください。

参考 職業一覧表

こちらの表には、かなり多くの数の職種が書かれています。職種は、業界を跨いで共通する「営業職」のようなものあれば、飲食店の店長のように業界固有のものもあり、そのためかこちらの表では職種を業界ごとにわかる形で記載されています。

こちらの表は、この記事を書いている2020ねん2月時点では最終改訂が平成24年3月となっているため、やや情報が古いですが、どのような業界、職種があるのかを一通り確認するには便利です。

この表を見ると「管理的」や「技術的」などの言葉が見えます。職種はその業務内容によって性質を分けることができ、そのラベリングしあ結果が書かれています。

人のタイプも色々あり、やはり性質はそれぞれ異なります

世の中にはいろんな人がいます。職業を分類するための理論として上記の厚生労働省の職業一覧表以外にもMBTIやホランドの職業理論などがありますが、多種多様なその人ごとの性格や行動特性の違いが確かに存在し、それに合う仕事また合わない仕事が存在します

一概にこのタイプ分類が全て正しいわけでは無いですが、この分類が転職を考える上で大切なことは私自身の経験上、間違い無いです。

もしあなたが本当は人とたくさん話して関係を作るのがすごく好きな人だとして、たまたまいろんな会社の都合や人事部の考えによりデータ分析を主な仕事としどちらかというと一人でゆっくり考え理論の仮説検証を繰り返す、という仕事の場合、あなた自身にとっても会社にとってもハッピーとは言えないでしょう。

私自身、転職の際に上に書いたような分類からかなりヒントをもらいましたので、これらの詳細や具体的な活用の仕方については別の記事で紹介する予定です。一つ注意していただきたいのは、実際の仕事を考えるとき、合わない要素が含まれていたとしても詳細にみていくと実は特性を生かせておりそれほど全体としてみればそれほど相性が悪いとは言えない、というケースがあることです。このような場合は無理に転職する必要はありません。

もしあなたが自分自身の特性と全く合わない仕事をしていて、転職すべきか悩んでいるなら、転職すべきです。

あなたの価値観と得るもの・失うものが合ってないなら転職すべき

次に挙げたいのは、あなたの価値観と、現在の仕事で求められる働き方やあなたが受け取れる報酬体系、また経験できることや得られる成長、世の中への貢献の大きさや領域、家族や友人との時間、地域での活動など、現在の仕事をしている場合に実際にできること・得られるもの・失うものとの不整合です。

この不整合は、あなた自身がどういう人であるのかというあなた自身の存在や根幹に関わることなので、この不整合を抱えたまま仕事を続けることは、あなた自身をとても磨耗させ疲れさせてしまいます。

もしあなたが現在価値観と合わない仕事をしていて、転職すべきか悩んでいるなら、転職すべきです。

ライフホイールであなたの価値観を明らかにする

あなたの価値観については、キャリアカウンセラーが使う「ライフホイール」というツールがあります。このツールでは自分が大切に思う価値観をいくつか車輪の絵の中に要素として描き、それぞれの要素があなたにとってどれくらい大切なのか特典をつけることで、あなたの大切に思うものを可視化します。

参考:『ビジネスモデルYOU』

仕事で得られるものと失うものを明らかにする

仕事については、どんな仕事を選択する場合も、必ず得られるものと失うもの・諦めるものがあります。現在の仕事であなたが得ているもの、そして反対に、その機会損失も含めてあなたが失っているものを紙に書き出してみましょう。以下に仕事で得るものと失うものの要素の例を書いてみました。実際に洗い出すときにはこれらの要素についてできるだけ具体的に書き出すことをお勧めします。 仕事で得るものと失うものの要素例

得るもの:金銭的報酬、スキル、経験、肩書き、勤務環境や福利厚生、人間関係 等

失うもの:時間、そのタイミングでの他の経験(他のビジネスや遊びなど)の機会、健康、プライベートの人間関係 等

例えば、あなた自身が最も大切にしている価値観として、家族と過ごす時間や子供にしてあげられることを大切にしたくて、そのためにはある程度家族と一緒に過ごす時間が必要だとします。その場合、長時間労働が常態化していたり、ましてやサービス残業も常態化している、といった仕事や会社であるならば、それは一つの転職の理由になります。

なお、筆者は自分自身の経験などから、転職にあたっては自分の正直な気持ちや価値観をしっかり整理することが最も大切と考えています。あなた自身が大切にする価値観を疎かにしたり曖昧なまま決めたアクションは、結果的にあなたを不幸に陥れかねません。

あなたの価値観に合う仕事を選ぶことは、面接時に転職理由についてあなた自身の考えをしっかりと述べ面接官の質問にもしっかりご自身の言葉で答えること、また転職後もモチベーション高く働き結果的に会社のためにもなることにもつながりますので、とても大切です。

やりたいことと仕事内容の不整合

転職すべき3つ目のケースとして、あなた自身の強い情熱や関心と実際の仕事内容の不整合です。このポイントを考えるときの仕事内容も、先ほどと同じように事業内容と職種を指します。

先ほどの特性とは別の軸として、取り組みたい事業の分野や挑戦してみたい職種というものがあります。例えば、「これからは健康がより大切な時代になってくると考えるのでヘルスケア業界に貢献したい」や、「コンサルティング業界に一度は挑戦してみたい」などといったものです。

これらが明確な場合で、今現在の仕事がその内容と合っていないなら、仕事へのモチベーション低下やその結果としてのパフォーマンス低下につながりますので、転職を検討すべきです。

まとめ:転職すべきか悩んだら、あなたの価値観・特性・関心を掘り下げ仕事との相性をチェック

この記事では、転職すべきかどうかを考える際のポイントを私自身の経験に基づき紹介しました。

転職は私たち一人一人にとっても、社会にとっても大切なアクションです。転職エージェントの言葉も参考にはなるもの、本当に大切なのはあなたが自ら価値観・特性・関心を掘り下げやりたい仕事を勝ち取ることです。この記事を見ていただいた一人でも多くの人がご自身にあった仕事をされることを心から願います。