テレワークのメリットとデメリットについて知りたい人へ。この記事では、実際にやってみて感じたテレワーク(リモートワーク)のメリットとデメリットについて解説します。
なお、このテレワークと似た言葉としてリモートワークがあります。「リモート(Remote)」も「テレ(Tele)」も遠隔や距離を表す言葉でありほぼ同じ意味あるため同じものと考えてください。それでは見ていきましょう。
テレワークのメリット
まず初めに、私が実際にやってみた感じたテレワークのメリットから説明します。
考えることやデスクワーク作業の効率が上がる
テレワークでは場所にとらわれずに自分の好きな場所で働くことができるので結果的に考えることやデスクワーク作業の効率が上がります。
今となっては様々な業種で求められるクリエイティビティや人間にしかできない仕事。クリエイティブな仕事をする上で考えることはどんどん重要になってきています。「考える」と一言に言っても仕事の性質やフェーズによって実は様々なものがあります。たくさんの人やチームメンバーと話をしながらアイディアを出していろんな意見を集めることが必要な場合もあれば、出てきた意見やアイディア、調査をして集まった様々な情報などをもとに、情報を整理して1つの仮説を作ると言う場面もあります。
質の良いアウトプットを出すために、ちゃんと考えやすい状況や環境を整えることが大切です。会社の会議室やオープンスペース、街中のお洒落なカフェ、シャワーを浴びている最中、寝る直掩のベットの中、など、実際に考える作業が進む状況や場所は様々なものが考えられます。考える作業の種類によって適した環境が異なります。
人と話して考えを進める必要がある場合にはその内容によって会議室でないとできないこともあります。その一方で1人でゆっくり考えたい場合には会社の人から話しかけられたりすることによって途中で思考のプロセスを邪魔される環境は効率が良いとは言えません。また脳の働きは体を動かすことで活発になることが知られており、場合によっては散歩をしながら考えをめぐらせるのが効率が良い場合もあります。
このように考える作業の内容によって1番自分が考えやすい場所を自由に選ぶことができるので、テレワークは考えることやデスクワーク作業の効率が上がるといえます。
時間が増えて使い方の自由度が上がる
1日が24時間なのはみんな平等ですが、テレワークをすることで実際に活動できる時間を増やすことができます。また時間の使い方ももっと自由になります。以下ではその理由と、時間が自由につかえる例として二つの具体事例を紹介します。
時間が増えて自由に使えるとは
テレワークが自由に選べる環境の場合、それは仕事をするために決まった勤務地に移動する必要がなくなることを意味します。もちろんお客様を訪問する場合等どうしても特定の場所にいる誰かと対面で話をする必要がある場合は別ですが、それ以外は場所を(そして実質的には時間も)選ばずに仕事ができるようになります。
以上のようなことから、1点目の「時間が増える」というのは、毎日している通勤時間の分がそのまま活動時間に当てられるようになるということです。
また2点目の「時間を自由に使える」というのは、いつどのタイミングで何分間仕事をして休憩をするかを自分自身でコントロールできる状況になるということです。なお、自由には常に責任が伴います。この辺りは「デメリット」のところで詳しく解説します。
家事や育児がやりやすくなる
ここでは、時間が増えて自由に使えることの具体的なメリットを紹介します。一つ目は「家事や育児の分担がしやすい」ということです。
最近では「一億総活躍社会」や「働き方改革」という言葉が聞かれるようになりました。これらの言葉は、仕事をする夫と専業主婦の妻という固定化された家庭のあり方から抜け出し男女ともに自己実現と人間らしい生活を目指そうとする動だと思います。
このための具体的な方策は色々と打たれているとは思いますが、「一億総活躍社会」の実現にむけて、または少子高齢化の問題の解決に向けて個人的に一番有効なのではないかと考えているのがテレワークの定着です。
家事や育児はとても大変な仕事です。工数は非常に多くかかり成果が出るまでに長く時間を要し環境面でも逆風が強いというような特徴を持つ仕事です。さらに言うと家事や育児は社会全体を考えてもとても重要度が高い仕事であり到底テキトーにやっていいような仕事ではありません。(この点については別の記事で詳細に書く予定です)
このように家事と育児は重要な仕事ですので、リソースの「家庭ごと縦割り」によって非常に逼迫した状況で細々とやっていくのはよくないです。
テレワークによって毎日の活動時間が多く生まれて、テレワークで生まれた時間で家事や育児にも参加することができることは非常に大きなメリットと言えます。
テレワークをしながらの家事や育児のやり方の前提として、持ち運び可能なモバイルPCなどで仕事ができることが望ましいです。その状況ならいつでもどこでもワークスペースを出現させることができるからです。
その上で、仕事・家事・育児・それ以外の生活をうまくミックスしバランスすることで家事と育児のリソース逼迫問題に一石を投じることが可能になります。
トレーニング・健康維持の時間が取れる
次にもう一つの具体的なメリットとしてトレーニング・健康維持の時間が取れると言う点について解説します。
健康維持は、人生100年時代といわれるこれからの時代においてますます重要なテーマです。たとえ長く生きたとしても健康でいられなければ楽しいというより苦しい人生になります。
一般的なオフィスワーカーの場合、1日のうちのかなり長い時間座ったままという状態になりやすく、しかも長時間労働によって筋力トレーニング等の時間を確保することが難しくなりがちです。人によっては有料のトレーニングジムに入会して夜遅くにトレーニングしようとする人もいると思いますが、その場合には睡眠時間を削ることになったり仕事以外の自分の活動とのバランスが難しくなってしまいます。
座ったままの状態は体にも心にもよくないです。スポーツ庁のWEB広報マガジンにも記載があります。https://sports.go.jp/special/value-sports/7.html
テレワークが日常的に利用できる状態になると、筋トレをはじめとする健康維持のための時間もとりやすくなります。先ほど紹介した育児や家事・トレーニングを含め、自分の活動全体でバランスできる自分なりの方法を考え試行し実行することが大切です。
テレワークによって場所に囚われずに働けるようになるので、だらだらとしたタバコ休憩の代わりに、実際に必要な強度と長さで体を動かす機会を作ることもできます。
まだまだあるテレワークのメリット
上でテレワークによってもたらされるメリットとして重要なものを3つ紹介しました。
テレワークは働く場所と時間の柔軟性を大きく広げます。メリットは他にも色々と考えられるでしょう。仕事面ではフットワーク軽く動きやすくなり普段会えない人と会いやすくなることなども挙げられますし、プライベートでは行ってみたかった美術館やレストランにいく機会を作りやすくなることなどが考えられます。社会としても消費が増え経済活動が活発化するのではないでしょうか。
テレワークのデメリット
先ほど紹介したようにテレワークには非常に多くのメリとがあります。しかしながら、テレワークにはデメリットもあります。ここではテレワークのデメリットについて解説します。
仕事へのコミットがないと著しく生産性が下がる
先ほどテレワークのメリットで解説したように、テレワークは仕事をする場所や時間の使い方の自由度を大きく向上させます。
テレワークで得られる自由を最大限活用し生産的な仕事をするためには仕事の結果へのコミットが不可欠です。
仕事の結果へのコミットがない場合、テレワークで得られる自由を濫用し仕事以外の活動とのバランスを崩します。その結果、仕事の生産性が著しく低下することになってしまいます。これが、リモートワークのデメリットの1つ目です。
テレワークをするときの工夫
テレワークをする場合、仕事の目的を定め、その目的が達成できる目標を持って、その目標に向けた活動をすることを常に意識する工夫が必要です。この点については別記事でのちほど詳細に解説する予定です。
ノンバーバル(言葉以外の)コミュニケーションの効率が落ちる
次にテレワークのデメリットの2つ目としてノンバーバル(言葉以外の)コミュニケーションの効率が落ちる点について説明します。
オフィスでみんなが集まって仕事をしている場合、言葉で伝えたいことを伝える以外にも実際には色んな情報で相手とコミュニケーションをする事ができます。顔を合わせていると、話している人同士の顔の表情やちょっとした「間」を感じることもできますし、近くに座っているメンバーやチームの雰囲気や話の内容を察知する事ができます。
テレワークでは、このような言葉以外の情報のやりとりが難しくなります。最近では遠隔でコミュニケーションをするツールが色々と存在し、相手の顔を見ながらリモートワークすることも可能ですが、それでも実際に顔を合わせて話をすることと比べるとどうしても抜け落ちてしまう情報があるでしょう。
このようなことから、テレワークをする際には言葉でいつも以上に情報を伝えられるようにする工夫がとても大切になります。
仕事してないと思われる
テレワークのデメリットの3点目として、「仕事してないと思われる」を説明します。
特に日本の企業でその傾向が強いように思いますが、テレワークをしているというだけの理由で、仕事における信頼が損なわれるリスクがあります。
これは「働き方改革」や「一億総活躍社会」を妨げている主な要因だと思いますが、長い時間を会社の同じ建物の中で一緒に過ごすということに必要以上の重要性を与えている企業や社員がいまだに多いと感じます。
テレワークはその名の通り会社の建物の中にいないで働くということなので、重要性についてそのような価値観を持つ人たちからは信頼されない危険があるのです。
テレワークのデメリットの一つとして信頼されない事があることと、評価制度は深い結びつきがあります。
評価の基準を仕事の成果で測らず長時間をオフィスの中で過ごすことに置いてしまうとテレワークする人は評価されません。結果として評価され組織で昇進する人がテレワーク反対派ばかりになるとテレワークはますます行われないことになります。
この状態と連鎖こそが「働き方改革」や「一億総活躍社会」が号令ばかりで遅々として進まない原因ではないでしょうか。
まとめ
この記事では、テレワークのメリットとデメリットについて実体験をもとに解説しました。
テレワークは最近言われる「働き方改革」や「一億総活躍社会」の本命施策のうちの一つであることは間違い無いので、本記事に記載したデメリットの課題を解消しつつ多くの企業・人にうまく利用してもらいたいです。