コンサルは激務なのか【実体験 徹底検証】

コンサルティングファームへの転職を検討しているけどコンサルの仕事は激務なのかが気になる。コンサルティング業界が実際にどれくらい激務なのか、ついていけるのかを知りたい。そんな方へ。

この記事ではコンサルティングファームにかつて所属し実際に様々な種類のコンサルティングプロジェクトを経験してきた私が、コンサルは激務なのかの疑問にお答えします。

激務とは何かを確認

コンサルが激務なのかを検証するにあたって、まず初めに激務とはどういう状態のことをいうのかを確認し認識を合わせておきたいと思います。

激務は辞書でしらべると「非常に忙しい仕事」といったように忙しさが一つの基準となっているようです。ではもう一歩進んで、忙しいとはどういうことかというと、よく言われるように漢字の成り立ちからわかるように心がない状態、それほど心に余裕がない状態だと言えます。

よってここでは激務=めちゃくちゃ忙しい仕事=まったくといっていいほど心に余裕がなくなる仕事、と定義します。心に余裕がなくなる仕事とはどのような特徴を持つ仕事でしょうか。いくつか書いてみます。

  • 高い目標の達成をあまりに強く要求される(能力と目標のGAP)
  • 責任が重すぎる
  • 作業量が多くて時間が足りない
  • 上司や同僚によるハラスメントが激しい

よってここでは激務=めちゃくちゃ忙しい仕事=まったくといっていいほど心に余裕がなくなる仕事、と定義します。心に余裕がなくなる仕事とはどのような特徴を持つ仕事でしょうか。いくつか書いてみます。

  • 高い目標の達成をあまりに強く要求される(能力と目標のGAP)
  • 責任が重すぎる
  • 作業量が多くて時間が足りず長時間労働
  • 上司や同僚によるハラスメントが激しい

順に見ていきます。

高い目標の達成をあまりに強く要求される(能力と目標のGAP)

激務のはじめの要素は高い目標達成をあまりにも強く要求されるというものです。通常どのような組織であれ様々なレベルの目標が設定されるものです。この事自体はビジネスを推進していくために必要なことです。しかしながら、目標は適切に定めその達成のためには適切なコミュニケーションを取っていく必要があります。

あまりに高い目標を設定したり目標の達成のために社員が罵り合ったりという状況は健全とは言えず、そのような環境では社員はどんどん心に余裕がなくなっていくでしょう。会社や職場によっては目標達成のための罵り合いやありえないほど強い要求を上意下達でやっていくことが普通だというところもあるかもしれませんが、そのような風土は持続的でないため今後変えていく必要があります。

責任が重すぎる

次に、責任が重すぎることについて説明します。こちらも先ほど紹介した高すぎる目標達成の強制と似ているのですが、持たされる責任が重すぎるという場合です。一人ひとりが自分の持分の仕事に責任を持つことはビジネスを推進する上で重要ですが、役職よりも遥かに高い責任を担わされるような場合はその責任を果たすために心の余裕がなくなるケースがあるのではないでしょうか。

作業量が多くて時間が足りず長時間労働

次に考えられるのが、作業量が多くて時間が足りないというケースです。どのようなビジネスでもリソース(ヒト、モノ、カネ)の管理は大切です。やりたいことがたくさんあってもリソースが足りなければ絵に描いた餅になってしまうからです。なにか仕事を計画するときには全体で必要なリソース(時間の長さなど)を算出し、それを完了する人材のパフォーマンスを前提において適切に計画すべきです。あまりにたくさんの仕事を割り当てられると心に余裕がなくなってしまうでしょう。

上司や同僚によるハラスメントが激しい

最後に、上司や同僚によるハラスメントが激しい場合について説明します。ハラスメントにはパワハラ、セクハラ、マタハラ、アルハラなど様々なものがありますが、された側が嫌がっていることをすることです。

仕事の目標や割り当てられた責任そして業務量に問題がなくても、一緒に働く上司や同僚からのハラスメントがある場合(そして特にそれが継続的である場合)は徐々に心が蝕まれ余裕がなくなってしまいます。

経営コンサルの仕事内容と特徴を紹介

ここまでで、まず激務とは何かの認識を合わせておくため、その特徴について整理しました。ここでは経営コンサルの仕事の特徴について私の実体験から紹介します。

経営コンサルの仕事内容(概要)

経営コンサルタントの仕事は、一言で言えば主に大企業の事業活動の創出・改善・リカバリなどの活動を支援することです。一言で言えばそれだけなのですが、実際には企業の活動や業種・対象とする組織とその機能には様々なものがあり、さらにその支援の仕方もいくつかあるため経営コンサルタントの仕事も多種多様です。

経営コンサルティングのプロジェクト領域

コンサルティング業務は多種多様であることをさきほど説明しました。ここで概略だけ触れておくと、コンサルティング業務の領域には以下のような支援領域があります。

  • 戦略策定:コーポレートストラテジーや事業戦略の策定
  • 業務改善:事業ポートフォリオの見直し、既存事業の収益またはコストの改善、そのための業務プロセス改善・システム導入と改善
  • 内部統制・ガバナンス:各種規制対応、業務またはITガバナンスの整備・強化など
  • M&A:事業の買収と売却に付随するデューデリジェンスや業務プロセス・システムの再構築等

以上が大まかな経営コンサルのプロジェクト領域です。

コンサルティング業界のプロジェクト内容の詳細は業界研究本で確認できる

経営コンサルのおおまかなプロジェクト領域について先ほど説明しましたが、経営コンサルタントとして実際に仕事をすることになった場合に従事することになるプロジェクトでの仕事について知るにはもっと細かくそれぞれの領域について知る必要があります。具体的なコンサルティング業務の種類や内容についてはコンサルティング業界の業界研究の本などで解説されています。コンサルティングファームの分類やプロジェクトの種類、プロジェクト種類ごとの大まかなプロジェクトの流れなど一通り知ることが可能ですのでそちらを参考にしてみてください。

経営コンサルの仕事の特徴

経営コンサルタントのプロジェクト内容は多種多様ですが共通的な特徴があります。ここでは一般的な経営コンサルの仕事の特徴について解説します。

プロジェクト単位で仕事をする

経営コンサルタントの仕事は基本的にプロジェクトとして進められます。ここでいうプロジェクトはプロジェクトマネジメント協会が定義するプロジェクトの意味に近いのでその定義をウィキペディアの記載から確認しておきます。

PMIのPMBOK
PMIが制定しているPMBOK(第5版)の定義では、「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」とされている。つまり、会社などの通常業務や、継続的な運用管理、あるいは改善活動などは、特に開始と終了が定義されていないので、「プロジェクト」とは呼ばない。ただし、特定の期限までに特定の建築を行う、製品を開発する、システムを構築する、などは個々のプロジェクトになりうる。
複数のプロジェクトを「プログラム」と呼び、全体管理や全体最適を含む複数プロジェクトの管理を「プログラムマネジメント(プログラム管理)」と呼んでいる。

出所:ウィキペディア

ウィキペディアの記載を補足すると、プロジェクトは期限を設けてその期限に向かって何か成果物を作成する営みのことです。様々な会社が行っている通常の事業活動の改善や新規事業の創出という活動を期限を設定して期限内に成果物という形で納品することが経営コンサルタントの仕事の基本です。

なお、プロジェクト期間は3ヶ月程度のものや6ヶ月程度のもの、そして2年、3年といったものまでプロジェクトの種類などによって様々です。

いずれにしても、予め計画した一定期間の間で成果を出す、というところがポイントです。

経営コンサルタントに求められるスキルとマインド

先ほど経営コンサルタントの仕事にもいろいろなものがあることを紹介しました。

仕事内容はいろいろでも経営コンサルタントが取り組む様々なプロジェクトに共通して求められる働きや特性があります。経営コンサルタントの仕事は一定期間で成果を出すという働き方が基本となるため、一定期間の間にじかんぎれになることなく成果物を作り上げるための考え方やスキルセットが求められます。

スキル

具体的なスキルとしては以下のようなものが共通的に求められます。

  • ゼロベースから仮説を立てて検証し仮説を修正しながらゴールを目指す仮説検証思考
  • 論理構成能力:主張や提案は根拠と正しい論理を持ったものが求められる
  • クライアントとの協力関係を構築し信頼を勝ち取るコミュニケーション能力
  • プロジェクトの納期を意識して納期に間に合うようにプロジェクトをハンドリングするプロジェクト管理能力
  • 事業の計画やディスカションポイントや出た結論などを整理して可視化するドキュメンテーション能力
  • クライアント企業の担当者をあるべき方向に導くコーチング
  • 新たな知識・スキルを素早く獲得する学習能力
マインド

マインドセットとしては以下のようなものが求められます。

  • クライアントの事業成功・改善への強いコミットと貢献する心(クライアントファースト)
  • 高い職業倫理
  • 成果物の付加価値の追求
  • ゼロから考えることを恐れない
  • 正しいことをきっちり主張する

ここで紹介したスキルやマインドは、プロジェクトをする上では全て基礎的なレベルとして求められる水準はあるものの、実際に取り組むプロジェクトの性質に応じてどこまで高い水準が求められるかの度合いがそれぞれ異なります。個々のコンサルタントによってもこれら個々のスキルの能力値は異なるので、プロジェクト種類ごとの得意不得意があることも多いです。

経営コンサルの働く環境を紹介

ここでは経営コンサルが働く仕事環境を紹介します。

私は大手の経営コンサルファームに入って経営コンサルの仕事を経験しました。そのなかで、いくつか特徴的だったと感じることを挙げます。

仕事の多様さ

すでに紹介したとおり経営コンサルのプロジェクトは対象となるクライアント企業の業種や支援内容などについて実に多様です。そのため同じ会社にいてもいろんな業種、テーマに取り組んでいる人がいます。

最近の世界の激しい競争事情による経営の多角化の影響により今でこそ事業会社でもいろんな事業に取り組んでいる場合もありますが、通常事業会社であれば多くの方が一つの事業を成立させるために必要な機能を色々分担していることが多いと思います。コンサルファームでは一つの会社の中でも担当する業界や支援テーマが全く異なることは珍しくありません。

コンピテンシーをもとにした評価

コンサルティングファームで求められるスキルや能力について先ほど紹介しました。私が所属したコンサルティングファームでの評価は一般的にプロジェクトワークと組織発展のための目標にわかれていました。重視されるのはプロジェクトワークでのコンピテンシーの発揮で、人事評価は各職位に求められるコンピテンシーの発揮ぶりによって評価されていました。

コンピテンシーに基づく評価だからといって全てきっちりと矛盾や問題もなくきれいに評価制度が機能するわけではないのですが、それでも私がそれ以前にいた会社での評価と比較すると少なくとも評価についての認識合わせ・ディスカッションのプロセスで認識の土台としてコンピテンシーがしっかりと存在感を発揮し、基本的にコンピテンシーの発揮度合いに則って評価されている感覚はありました。

様々なバックグラウンドの人材

私が所属していたコンサルファームには、いろんなバックグラウンドの人材がいました。さきほど紹介したとおり仕事内容も多種多様であることにも関係があると思いますが、官僚出身の人や医者、弁護士の人、会計士や税理士の人、プロアスリートだったという人までいた気がします。あとは起業経験のある方もしばしば見かけました。

もちろん会社員のみの経験という方もたくさんいました。会社員だけの場合もその出身会社は実に様々です。各産業の会社に向けたコンサルティングを行うためそれぞれの業界の事業会社出身の人もいますし、新卒からコンサルファームにずっといるという人もいます。またさらに言えば年齢もかなりはあ場があります。私が30歳でコンサルファームに入社したとき同期だった人が事業会社なら部長級の方が 

新卒入社と中途入社の壁

さきほど紹介したとおりコンサルファームの人材には多種多様な人がいるのですが、一つ気になったことがあります。それは、新卒からずっとコンサルファームにい続ける人と中途入社の人の壁です。壁という部分をもう少し具体的に言うと、実際にどちらが優れているとか言うよりは、経験や知識がそれぞれ異なる点が多いのでコミュニケーションが難しいという感じです。

ずっとコンサルファームにいる人は当然ながら実際の事業主体の構成員であったことはなく、先ほど紹介したとおり一定期間のプロジェクトを繰り返すスタイルで働いています。すると、例えばシステム開発や運用業務の「支援」をすることになったときに実際のシステム開発や運用の業務で何をするのかの具体的なイメージはつかなかったりします。

一方で、事業会社から転職してきた人はコンサルファームで求められるコンピテンシーについてはずっと訓練をしている新卒コンサルの方に比べて遅れる傾向があったりします。また互いに、単純に会社が異なることによる「違うものを恐れて排斥する」という動物的な習性によりなかなか理解が進まないといった場面もあるように思います。

諸々のハラスメントなど

さきほど経営コンサルの仕事は決められた期間の中でクライアントとなる企業に成果物をとおして価値を提供することです。プロジェクトの種類やクライアント企業の風土や直接接するクライアントの担当者にもよるのですが、場合によってはかなり厳しい環境となることもあります。

またチームメンバーも色んな人がいる中で、パワハラやモラハラ、セクハラが残念ながら習慣化してしまっている人というのも中にはいたりします。こういう人にあたってしまうと大変です。

厳しい環境であったり同僚のかなり多様な特性であったりコンピテンシーの重視という姿勢が、諸々のハラスメントを生んでしまう引き金となってしまうこともあるのは事実かと思います。

経営コンサルの激務度合いを検証

ここまでは、はじめに激務とはどういう仕事のことなのかを検証し、次に経営コンサルの仕事内容や特性・求められるスキルや仕事環境を紹介しました。

ここでは、ここまでに紹介した内容を踏まえ、経営コンサルは激務なのかを検証します。

激務の定義とコンサルの仕事の振り返り

激務=めちゃくちゃ忙しい仕事=まったくといっていいほど心に余裕がなくなる仕事であり、心に余裕がなくなる要因としては

  • 高い目標の達成をあまりに強く要求される(能力と目標のGAP)
  • 責任が重すぎる
  • 作業量が多くて時間が足りず長時間労働
  • 上司や同僚によるハラスメントが激しい

という性質を持つものでした。

そして経営コンサルの仕事はどういうものかというと、

  • 多種多様な業界や企業をクライアントとして
  • 事業活動の創出や改善のため戦略立案からシステムまで多種多様な支援をする仕事で
  • 仕事はプロジェクト単位であり一定期間の間に成果物を作成して価値を提供するのが基本で
  • 高いスキルとマインドが要求される
  • 新卒からコンサル一筋の人とそれ以外の様々なバックグラウンドを持つ人たちでチームを作るため
  • とくに厳しい環境のプロジェクトでは各種ハラスメントの恐れがある

コンサル業務の激務を要因への合致度合いを確認

コンサルの仕事が激務要因にどれほど合致するかについて確認します。合致している点が多いほどコンサルは激務だと言うことになります。

高い目標の達成をあまりに強く要求される(能力と目標のGAP)

高い目標達成が強く要求される点について、コンサルの仕事はある程度合致していると言えます。コンサルタントは実際には経験したことのない業務についても短期間で勉強しデータを集め何かしらの仮設をもとに一定程度価値のある成果物にすることが求められます。そしてそのために自分自身の能力を磨き続けることも必要です。

責任が重すぎる

責任が重すぎるという点については、経営コンサルの仕事は合致しているかというとどちらとも言えないと考えられます。理由を説明します。経営コンサルの仕事はクライアントの会社の事業の方向性策定や業務改革の支援など大きな仕事をします。しかしポイントとして、あくまでも支援だということがあります。コンサルタントは多くの場合は契約上で事業の責任主体にはなっておらずあくまでも助言が仕事であるため責任をとっているか、負わされているか、というとそうではありません。

作業量が多くて時間が足りず長時間労働

作業量が多すぎるため時間が足りなくなり長時間労働になりがち、という点については、ケースバイケースのためどちらとも言えない、と考えます。

コンサルタントのプロジェクトは多種多様であることをすでに説明しました。たくさんあるプロジェクトの中で、作業が多くていつも長時間労働、というプロジェクト領域が確かに存在します。その一方で、長時間労働はほとんどないプロジェクトも存在します。スキルにもよりますが、長時間労働ではないプロジェクトもそれなりにはあるというのが私の認識です。

なおスキルが低いほど長時間労働のリスクが高まる点は注意が必要です。

上司や同僚によるハラスメントが激しい

最後に上司や同僚によるハラスメントについてはある程度合致していると言えそうです。

経営コンサルタントの仕事は程度の差こそあれ未知の領域でも一定期間のうちに成果物を通してクライアント価値を提供する必要があります。そしてその際のチームは毎回プロジェクトチームとして様々なバックグラウンドの人で構成されることになります。このような環境下で、どうしてもバックグラウンドの違いによるコミュニケーションの行き違いや自分と違うものを排斥しようとする動物的な性質が出てきてしまい結果としてハラスメントへと発展するリスクがそれなりに存在すると考えるためです。

経営コンサルは激務になる要素は十分ある

経営コンサルの仕事内容や環境などを激務要因への合致度合いを検証した結果、高い水準の目標達成へのプレッシャーが高い点とハラスメントリスクの点ではある程度高い確率で心の余裕をすり減らすこと、そして、それに加えてプロジェクト内容やクライアント企業そしてプロジェクトチームの構成によって長時間労働の危険も高まることなどから、経営コンサルの仕事は激務になる要素は十分あると考えます。

ただし、私自身の経験からも、経営コンサルのすべての仕事が必ず激務ということではないことは間違いなく言えます。自分自身でアサインメント先について希望することもできるので、日頃からスキルを磨くとともにアサインメントの調整も工夫することで激務の危険性を減らすことはできます。

まとめ

この記事では、激務とはなにかを定義したうえでその要因を分析し、経営コンサルの仕事がどれくらいそれらの要因に当てはまっているのかを特定することで、激務かどうかについて検証し結果について解説しました。

結論として、コンサルは激務になりうるものの自分自身での調整も可能であると私は考えます。