経営コンサルタントを目指す人のための志望動機【新卒・転職】

これから経営コンサルタントになろうとしていて志望動機を整理しようとしている方。現在は事業会社に所属していてこれから経営コンサルタントに転職したくてどんな志望動機を書けばいいか悩んでいる方へ。

この記事では、経営コンサルタントとコンサルファームでの面接官経験もある私がコンサルタントになるときの志望動機について何の経験をどのように整理し選考書類に書くときや面接の時にどう伝えるべきかを解説します。

私がコンサルタントになるときに伝えた志望動機

ここでは私が実際に経営コンサルタントになった時の志望動機を紹介します。

私は中途入社で経営コンサルタントになりました。新卒で最終的に入った会社は大手金融企業でしたが、実は新卒の時にもコンサルファームの選考を受けて内定目前の状態まで選考を進めていました。新卒でコンサルファームの選考プロセスを進めていくうち、最終面接の時になって新卒でコンサルファームで働くことに感じた違和感をぬぐい切れなかった事もあり最終的に金融機関に入社したのでした。

ただ、新卒の時にも自己分析でその時なりに徹底的に考え自分の特性に対する理解を進めていたため、中途で経営コンサルタントになる時に比較的スムーズに経営コンサルタントの志望動機を書き面接で説明することができました。その時に実際に書いたことを下記で紹介します。

選考書類に何をどのように書いたか

転職時に用意する書類は基本的に3つで、それは履歴書と職務経歴書、そして志望動機書です。履歴書には自分の名前や職歴の概要・希望年収などを書き、自分の仕事や志望動機について詳細は職務経歴書に書きます。志望動機書はなぜその業界・職種・そしてその会社で働こうと考えたのかを記載します。

経営コンサルタントになるために私が選考書類に書いたことのポイントは主に以下の点です。(かっこ内は主にどの書類に書いたか)

  • 新卒からそれまでに経験した仕事の実績(職務経歴書)
  • 経験の中で明らかになった自分の強みと弱み(志望動機書)
  • 自分のキャリアビジョン(志望動機書)
  • 上記を踏まえた志望動機(志望動機書)
  • 希望する年収や勤務地・その他条件など(履歴書)

一つずつ順に説明します。

新卒からそれまでに経験した仕事の実績

「新卒から転職するまでに経験した仕事の実績」は、自分がやってきたこと(事実)を定量的・定性的な成果を交えながら詳細に書きました。

初めに要約を書き、その後に表形式で時系列で自分の所属した会社・部署・プロジェクトとその中でやったことを順に書いていきます。どのような規模の部署やプロジェクトで自分自身がどのような役割を果たしたのかも書きます。

一つ一つの経験の詳細があとで紹介する自分自身の強み・弱みやキャリアビジョン・志望動機を支える事実として一貫した説明ができるように意識しました。

経験の中でわかった自分の強みと弱み

それまでの仕事をする中で見えてきた自分自身の強みと弱みをそれぞれ志望動機書に書きました。強みは、新卒時の選考書類でも書いていた、「物事の仕組み・構造を理解して課題を理解すること」そして「理解した課題を解決するためにその構造のどの部分に働きかけるべきかを見つけ出し解決策を実際に自分で実践する」点を自分自身の強みとして記載しいました。

弱みについては、実際に仕事を進める中で苦労した体験をもとに、周囲への配慮がやや弱い点を書きました。

自分のキャリアビジョン

志望動機書にその時点での自分自身のキャリアビジョン・キャリアの志向性を書きました。私の場合は、「自分自身の物事に対する分析能力を生かし、様々な企業・組織の仕組みの最適化を通して社会課題の解決に貢献できるキャリアを目指す」ことを書きました。

上記を踏まえた志望動機

一般的にキャリアは、やりたいこと・やってきたこと・できることの3つの輪が重なるところで形成できます。

先ほど紹介してきた仕事経験は「やってきたこと」に、強みと弱みは「できること」に、キャリアビジョンは「やりたいこと」にそれぞれ対応します。そのため、それぞれの要素一つ一つをきっちりと書き、それらを論理の構成要素として志望動機を書きます。

私がコンサルタントに転職した時の志望動機は、「事業会社での業務プロセス改革プロジェクト経験と自分自身の分析能力をより広く社会の中で生かし社会の中の仕組みの最適化を促進するため、xx社(某コンサルファーム名)のxxファンクションでまずは自分自身の業務知見なども生かしつつxx業界の改革に貢献し、ゆくゆくはさらに仕組みを最適化する対象の業界を広げていきたい。」といったものでした。

面接で何をどのように伝えたか

ここでは私が某コンサルティングファームの選考面接時に面接官に伝えたことをお伝えします。

基本的に面接で伝えた内容は選考書類に書いてあることを補足・補強するものです。例えば職務経歴書に書いてある特定の業務について困難だったこととそれに対する対策といった内容や、自分自身の強みや弱みを具体的にあらわすエピソードなどです。

注意点としては、話すときの話し方はコンサルファームで求められるような仮説思考や論理的な話し方を心がけました。

自分を知り経営コンサルタントの仕事を知る

ここでは経営コンサルタントへの就職・転職の際の志望動機の整理のやり方について解説します。

仕事とは自分自身が持っている能力・スキル・時間などのリソースを使って誰か(=お客さん)の課題を解決したり喜びを与えたりするものです。

価値を与えるために、専門性や知識以外にその仕事への情熱や仕事で実際にやる活動との親和性などの要素もあります。これらの要素をクリアし、足りないところは他の人と補い合うことでよりお客さんに価値を提供しやすくなります。

上記の事情を踏まえ、経営コンサルタントに就職・転職するためのステップをまとめました。そのステップは以下の通りです。

  • 自分自身を理解する
  • 経営コンサルタントの仕事を理解する
  • 自分が貢献できることを探す

次から順に解説します。

自分自身を理解する

経営コンサルタントになる場合に限らず、何かの仕事に就く場合まずやるべき事は自分自身を理解することです。仕事とは誰かに何かの価値を提供することであり、価値を提供するのは自分自身です。自分が何をどうやって提供できるのか、どういった課題を解決できるのか、そしてどのような情熱を持って活動するのか、それをまず自分自身が知らなければいけません。

自分自身を理解するためのツールとして私はよくMBTIというフレームワークとホランドの職業選択理論、そしてビジネスモデルキャンバスを組み合わせて使っています。私はこれまでにどんな仕事が自分に向いているのか散々考えてきて、一つのツールでは考えがうまく纏まらなくても、この3つをうまく組み合わせることでようやく自分自身に合った仕事というものについてある程度考えがまとまってきた気がしています。

経営コンサルタントの仕事を理解する

自分自身のことを知ることができたら次に大切なのが経営コンサルタントの仕事について理解することです。

経営コンサルタントの仕事は、一言で言えば主に大企業の事業活動の創出・改善・リカバリなどの活動を支援することです。一言で言えばそれだけなのですが、実際には企業の活動や業種・対象とする組織とその機能には様々なものがあり、さらにその支援の仕方もいくつかあるため経営コンサルタントの仕事も多種多様です。

仕事内容は多種多様ですが共通している点があります。それは、経営コンサルタントの仕事はプロジェクトとして進められることが多いということです。ここでいうプロジェクトはプロジェクトマネジメント協会が定義するプロジェクトの意味に近いのでその定義をウィキペディアの記載から確認しておきます。

PMIのPMBOK
PMIが制定しているPMBOK(第5版)の定義では、「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」とされている。つまり、会社などの通常業務や、継続的な運用管理、あるいは改善活動などは、特に開始と終了が定義されていないので、「プロジェクト」とは呼ばない。ただし、特定の期限までに特定の建築を行う、製品を開発する、システムを構築する、などは個々のプロジェクトになりうる。
複数のプロジェクトを「プログラム」と呼び、全体管理や全体最適を含む複数プロジェクトの管理を「プログラムマネジメント(プログラム管理)」と呼んでいる。

出所:ウィキペディア

ウィキペディアの記載を補足すると、プロジェクトは期限を設けてその期限に向かって何か成果物を作成する営みのことです。様々な会社が行っている通常の事業活動の改善や新規事業の創出という活動を期限を設定して期限内に成果物という形で納品することが経営コンサルタントの仕事の基本です。

コンサルティング業界のプロジェクト内容は業界研究本で勉強を

具体的なコンサルティング業務の種類や内容についてはコンサルティング業界の業界研究の本などで解説されています。コンサルティングファームの分類やプロジェクトの種類、プロジェクト種類ごとの大まかなプロジェクトの流れなど一通り知ることが可能ですのでそちらを参考にしてみてください。

プロジェクトによらない経営コンサルタントの基本の働きと特性

先ほど経営コンサルタントの仕事にもいろいろなものがあることを紹介しました。仕事内容はいろいろでも経営コンサルタントが取り組む様々なプロジェクトに共通して求められる働きや特性があります。また、先ほど説明したように経営コンサルタントの仕事は一定期間で成果を出すという働き方が基本となるため、一定期間の間に成果物を作り上げるための考え方やスキルセットが求められます。

具体的には、ゼロベースから仮説を立てて検証し仮説を修正しながらゴールを目指す仮説検証思考や、クライアントとの協力関係を構築し信頼を勝ち取るコミュニケーション、プロジェクトの納期を意識して納期に間に合うようにプロジェクトをハンドリングするプロジェクト管理、事業の計画やディスカションポイントや出た結論などを整理して可視化するドキュメンテーション、クライアント企業の担当者を一定の方向に導くコーチング、新たな知識・スキルを素早く獲得する学習能力などのスキルが求められます。

これらのスキルやマインドは、プロジェクトをする上では全て基礎的なレベルとして求められる水準はあるものの、実際に取り組むプロジェクトの性質に応じてどこまで高い水準が求められるかの度合いがそれぞれ異なります。コンサルタントによってこれら個々のスキルの能力値は異なるので、プロジェクト種類ごとの得意不得意があることも多いです。

選考プロセスを進める中でカジュアル面談などの機会があることもありますので、様々な機会を活用し実際にアサインされるプロジェクトでどのようなスキルや性質、動き方が求められるのか経験が多いコンサルタントに聞いてみるのもいいでしょう。

自分が貢献できるポイントを探す

自分自身を理解し、経営コンサルタントの仕事もある程度理解ができたら、経営コンサルタントの仕事と自分自身の経験や得意なことを重ね合わせてみましょう。そして、経営コンサルタントが取り組むいろんなプロジェクトの中でこれなら自分が貢献できそうというものをできるだけ具体的にイメージしてみましょう。自分が実際にやったことがない段階で、「自分の経験や知見をこのように経営コンサルタントの仕事の中で生かすことができる」という仮説を立ててみます。そしてその内容を経営コンサルタントの志望動機として使います。

面接では自分が立てた経営コンサルタントとしての貢献に関する仮説について説明し、面接官とディスカッションをしましょう。その際、事実と推論はしっかりと分けて話すことには注意しましょう。

志望動機の整理ポイントはFactとLogicあるストーリー

ここまでで、経営コンサルタントになるための志望動機について、私自身が経営コンサルタントになったときの志望動機の紹介と志望動機を整理する上での手順について解説してきました。ここでは経営コンサルタントになるための志望動機の整理ポイントについて解説します。

Fact:実際にあった確かな経験と知見

1つ目のポイントはFact(事実)です。志望理由の元となる、業務やそれ以外の生活も含む事実としての経験です。実際に経験したというのは大事です。実際に経験しているからこそ、最終的な志望動機にも説得録が出ますし、面接での質問にも耐えられます。面接で嘘をつこうとする人がいますがお勧めできません。その理由については以下の記事にまとめていますので気になる方は参考にしてみてください。

Logic:経験と動機の関係を繋ぐ論理

2つ目のポイントはLogic(論理)です。Fact(事実)を集めた後、それらをどのように解釈しどう関係づけるのか、そしてその解釈や論理から志望動機にどのようにつなげるのかのも大切です。

論理性を担保するための方法として、演繹法、帰納法があり、さらに演繹法の中でよく使われるものとして三段論法があります。

帰納(きのう、英: Induction、希: επαγωγή(エパゴーゲー))とは、個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする論理的推論の方法のこと。演繹においては前提が真であれば結論も必然的に真であるが、帰納においては前提が真であるからといって結論が真であることは保証されない。

出所:ウィキペディア

演繹(えんえき、英: deduction)は、一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論の方法である。
帰納に於ける前提と結論の導出関係が「蓋然的」に正しいとされるのみであるのに対し、演繹の導出関係は、その前提を認めるなら、「絶対的「必然的」に正しい。したがって理論上は、前提が間違っていたり適切でない前提が用いられたりした場合には、誤った結論が導き出されることになる。近代では、演繹法とは記号論理学によって記述できる論法の事を指す。

出所:ウィキペディア

以上のことを一般化した演繹の代表例として三段論法がある。 「人は必ず死ぬ」という大前提、「ソクラテスは人である」という小前提から「ソクラテスは必ず死ぬ」という結論を導き出す。この例のように二つの前提から結論を導き出す演繹を三段論法という。演繹においては前提が真であれば、結論も真となる。

出所:ウィキペディア

経営コンサルタントになるための志望動機を整理する際もこれらの方法を組み合わせて主張を組み立てるといいでしょう。

自分がなぜ経営コンサルタントになりたいのか?という質問に対する答えを仮説として作成し自分自身の中で検証をしながら仮説(=志望動機)をブラッシュアップしていきましょう。

仮説検証をする際に、常に論理性を意識しましょう。論理の跳躍や矛盾がないか、また強い主張をする場合はその根拠となる事実(=経験や知見)は弱くないか、などの観点でチェックするといいでしょう。

まとめ

この記事では、経営コンサルタントになるための志望動機の考え方や整理の仕方について、私自身の経験も紹介ししながら解説しました。経営コンサルタントの実際のプロジェクト経験は経営コンサルタントになってから積むものですが経営コンサルタントになる前の選考プロセスの段階から経営コンサルタント的な視点を持って説得力のある志望動機(=成果物)を作成し説明することを心がけましょう。